『不動産業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイド』
(業界団体向け) 令和2年5月20日版 が国土交通省のホームページより提示がありましたのでまとめます。
1.感染防止のための基本的な考え方
「三つの密」が生じ、クラスター感染発生リスクの高い状況を回避するため、最大限の対策を講じる。
2.講じるべき具体的な対策
⑴感染予防対策の体制整備
・感染予防のための対策の策定・変更について検討する体制の整備、情報収集、産業保健スタッフの活用
⑵健康の確保
・従業員に対し、出勤前に体温や新型コロナウイルスへの感染を疑われる症状の有無を確認させる。体調が思わしくない者には、自宅待機させる。
・発熱等の症状により自宅で療養することとなった従業員は毎日、健康状態を確認した上で、症状がなくなり、出社判断を行う際には、学会の指針3(➀発症後に少なくても8日が経過していること➁薬剤を服用していない状態で、解熱後および症状消失後に少なくても3日が経過している)等を参考にする。症状に改善が見られない場合は、医療機関や保健所への相談を支持する。
・従業員に対して、毎日しっかりと睡眠を取り、休日は休養に努めるよう求める。
指針3(https://www.sanei.or.jp/images/contents/416/COVID-19guide0511koukai.pdf)
⑶勤務・通勤形態
・テレワーク(在宅やサテライトオフィスでの勤務)、時差出勤、ローテーション勤務(就労日や時間帯を複数に分けた勤務)、変形労働時間制、週休3日制等、様々な勤務形態の検討を通じ、勤務頻度を減らし、公共交通機関の混雑緩和を図る。
・自家用車等の公共交通機関を使わずに通勤できる従業員には、道路事情や駐車場の整備状況を踏まえ、通勤災害の防止に留意しつつこれを承認すること。
⑷事業所等における勤務
・従業員が、できる限り2メートルを目安に(最低1メートル)、距離を保てるよう、人員配置について最大限の見直しを行なう。
・従業員に対し、始業時、休憩後を含め、定期的な手洗いを徹底する。水道の整備・石鹸・手指消毒液を配置する。
・従業員に対し、勤務中のマスク等の着用を促す。
・飛沫感染防止のため、座席配置等は広々と配置。
・他人と共用する物品や手が頻回に触れる箇所を工夫して最低限にする。
・人と人が頻繁に対面する場所は、アクリル板・透明ビニールカーテン等で遮断する。
・外勤は公共交通機関のラッシュの時間帯を避ける等、人混みに近づかないようにする。
・出張は、地域の感染状況に注意し、不急の場合は見合わせる。
・外勤時や出張時には面会相手や時間、経路、訪問場所等を記録に残す。
・会議やイベントはオンラインで行うことも検討する。
・株式総会については、事前の議決権行使を促すこと等により、来場者のない形での開催も検討する。
・会議を対面で行う場合、マスクを着用し、換気に留意する。また、椅子を減らしたり、机等を印をつけたりする等、近距離や対面に座らないように工夫する。
・対面の社外の会議やイベント等については、参加の必要性をよく検討したうえで、参加する場合は、最少人数とし、マスクを着用する。
・採用説明会や面接等については、オンラインでの実施も検討する。
・テレワークを行うにあたっては、厚生労働省のガイドライン等を参照し、労働時間の適正な把握や適正な作業環境の整備等に配慮する。
・事務所内に感染防止対策を示したポスター(保健所等の連絡先を明記することが望ましい)やロゴ、看板を配置し、「三つの密」回避等の意識向上と作業姿勢の定着を図る。
⑸休憩・休息スペース
・共有する物品(テーブル、椅子等)は、定期的に消毒する。
・使用する際は、入退室の前後の手洗いを徹底する。
・休憩・休息をとる場合には、できる限り2メートルを目安に(最低1メートル)距離を確保するよう努め、一定数以上が同時に休憩スペースに入らない、休憩スペースの追設や休憩時間をずらす等の工夫を行う。
・特に屋外休憩スペースについては、スペースの確保や常時換気を行うなど、「三つの密」を避けることを徹底する。
⑹トイレ
・便座は通常の清掃で問題ないが、不特定多数が使用する箇所(トイレレバー、スイッチパネル、蛇口等)は清拭消毒を行う。
・トイレに蓋がある場合、蓋を閉めてから汚物は流すよう表示する。
・ハンドドライヤ―は利用を止め、共通のタオルは禁止し、ペーパータオルを設置するか、個人用タオルを持参する。
⑺設備・器具
・ドアノブ、電気のスイッチ、パソコン、タブレット、コピー機、手すり、エレベーターのボタン、ゴミ箱、電話、共有のテーブル・いす等の共有設備について、洗浄・消毒を行う。
・ゴミはこまめに回収し、鼻水や唾液等がついたゴミがある場合は、ビニール袋に密閉する。ゴミの回収等清掃作業を行う従業員は、マスクや手袋を着用し、作業後に手洗いを徹底する。
⑻従業員に対する感染防止策への啓発等
⑼感染者が確認された場合の対応
➀従業員の感染が確認された場合
・従業員が感染した旨を速やかに報告する等、社内における所要の連絡体制の構築を図る。
・感染者の行動範囲を踏まえ、保健所、医療機関の指示に従い、感染者の勤務場所の消毒を行うとともに、必要に応じて、堂勤務場所の勤務者に自宅待機をさせる等の対応を検討する。
・感染者の人権に配慮し、個人名が特定されることが無いように留意する。
➁複数社が混在する借用建物内で同居する他社の社員で感染が確認された場合
⑽事務所等における顧客との対応
・自社が管理するHPやSNSに対応方針を掲載誌、お客様に対して感染拡大防止策への理解を求める。
・事務所や店舗への来店やモデルルームや案内所等への来場はできる限り予約制にし、できる限り少人数での来店・来場を依頼し、お客様同士の距離を2メートルを目安に(最低1メートル)確保するよう努める。
・お客様等との面談の日時・場所・相手方等を記録し、万一の感染の事態に備える。
・室内の換気や消毒を積極的に行う。
・契約書面(媒介契約も含む)、重要事項説明書の交付前に相手方に案文等を事前送付し、対面での説明時間の短縮を図るようにし、各種用語等の説明や疑問点は電話やWEBで丁寧な説明を実施する。
・重要事項説明に「IT重説」の積極的な実施を行う(賃貸は解禁済み。売買は国土交通省社会実験登録事業者のみ社会実験として実施可)。
・媒介契約に関し、当面の間、依頼者への報告は承諾を得た場合には、電話等の契約書であらかじめ定めた方法以外の方法によることも可能とする。また、更新の申出についても双方で合意した場合には、文書以外の方法により申し出ることも可能とする。
【取り組み事例】
・来店を誘発するDMやチラシ配布等に代えて、メール、電話、インターネット、ビデオチャット等を活用し、対面での接客機会が増えるように工夫する。
・事前にお客様に来店・来場時の質問や確認したい項目を整理していただき、事前送付してもらう等の工夫により、長時間の会話・接客を避ける。
・来店時のマスク着用、アルコール消毒等を案内し、マスク着用のないお客様に対しては、マスクの配布を行う。
・来店時に発熱の有無等を確認する。
・お茶等の飲み物を提供する場合は、感染防止のためペットボトル等のまま提供する。
・接客カウンターのお客様側座席の隣の組の間の距離を1メートル以上開ける。
・接客カウンター等対面する場所は、アクリル板・ビニールカーテンなどを設置して遮断する。
・書類や鍵は極力郵送等追跡可能な送付方法で対応する。
・キッズスペースは閉鎖する。
⑾取引物件の対象となる現場での対応
・モデルルームや現地案内所等における各種の打合せ等、2メートルの距離を目安に「三つの密」の回避に努める。
・現地案内は、できる限り一組づつの予約制にし、説明時のお客様との距離を適切に保ち、同時に複数のお客様を案内する場合は、お客様同士の距離を適切に保つようにして、感染症対策に配慮する。
・現場の物件の状況等を勘案しつつ、マスクを着用し消毒液(アルコール等)の設置や不特定の者が触れる箇所・物品の定期的な消毒を実施する。
【取り組み事例】
・現地案内を行う場合でも、できるだけ現地集合、現地解散とする。
・現地案内中やお客様が車に同乗する場合は、マスク着用や窓を開放する。
・物件の内見中は窓を開け常時換気し、お客様の入れ替えごとにドアノブの消毒を行う。
・お客様案内用の備品(スリッパ・手袋等)は使い捨てに変える又は消毒を実施する。
・居住中の物件の内見にあたり、居住者の意向を十分に確認し、長時間に及ばないように配慮する。
・非対面で内見できる写真や動画、VR、バーチャルツアー等のWEBサービスの活用、WEB会議システムやビデオ通話を活用し、担当者が現地から物件案内をお客様に視聴していただくことにより、現地内見件数の削減を図る。